佐々木 高恒 の 「 椿 峰 と 周 辺 の 植 物 歳 時 記 」 |
〔 オ バ ナ 〕 |
オ バ ナ ― 秋の七草二題 ― フジバカマ(藤袴)はキク科の多年草で、原産は中国と言われますが万葉の時代から日本人に親しまれていたようです。全国的に各地で見られますが近年自生種は減っていて準絶滅危惧種に指定されているようで残念です 葉は対生して深く三に裂けるのが特徴です。9~10月淡い紫紅色の小さな頭花を咲かせます。干すと香気があり、先人はこれを匂い袋にしたようです。又薬効があり生薬にも利用されます。 オバナ(尾花)はススキ(薄)の別名です。イネ科の多年草で全国に分布しています。茎は株立ちして葉は細長く鋭いです。秋に茎の先に十数本に分かれた花穂を立てます ススキはカヤとも呼ばれて茅葺屋根の材料に使われる他十五夜には萩とともに飾られますし雑司ケ谷の鬼子母神ではミミズクの形の民芸品が有名です。又根元にナンバンギセルを寄生させることでも知られています。 |