佐々木 高恒 の 「 椿 峰 と 周 辺 の 植 物 歳 時 記 」

〔  サ  ン  シ  ュ  ユ  〕


    サ ン シ ュ ユ


     ― 早春を飾る ―


 3月5日は二十四節気の一つ啓蟄です。土が暖まり虫も這い出す頃頃だそうですがこの時期に咲く紅梅、白梅と共に、黄色の花を咲かすサンシュユも早春を代表する花木の一つです。
 サンシュユ(山茱萸)はミズキ科の落葉小高木です。原産地は中国で日本には江戸時代に薬用植物として渡来しその後観賞用として広まったようです。
 樹高は3~10m、葉は5~10㎝の卵形で互生します。3月若葉に先立って、枝先に20~30個の黄色の小花を一面に咲かせます。秋に1㎝程のグミの様な赤い実が成り食べられます。又この実は漢方薬の原料になります。
 名前は中国名の山茱萸を音読みしたものです。
 余談ですが民謡「稗つき節」に出てくる庭のサンシュユはこの木ではなく香辛料に使われるサンショウのことだろうと言われています。